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2009/12/11

将軍と会見してやるってか?

今回は2009年12月8日付け読売新聞愛知版に掲載された『ゆかりの書画、多数発見 「東海朝鮮通信使研」10周年』 というタイトルの小さな記事を検証してみたい。

朝鮮通信使の足跡を調べているという東海地方の小さな民間サークルが発足10周年を迎えたというどーでもいい記事である。

"江戸時代に来日し、将軍との会見のため東海道を往復した朝鮮通信使の足跡を調べている東海地方朝鮮通信使研究会(東通研、貫井正之代表)が10日で発足10周年を"

記事の冒頭からいきなり違和感がある。貢物を山ほど抱えて将軍就任のお祝いに行くことのどこが「会見」なのか。たかが支那の属国から来た朝貢使節ふぜいが天下の将軍様と「会見」するとは片腹痛い。

とは言え『大辞林』によると「会見」とは「特定の場所で公式に人と会うこと」とあり、表現としては完全な間違いではないようだが、朝貢の儀式を表現するための語彙としては不適切と言えそうだ。

というわけで、今回は「朝貢」を「会見」と書いたこと以外に大きな齟齬はないようで、軽いジャブ程度の突っ込みとなった。

もっと突っ込み甲斐のあるデタラメ満載記事が現れることを期待したいが、通信使来貢400周年記念の馬鹿騒ぎもすでに2年前の出来事となり、その種の愚行もめっきり減った。

また突っ込みを入れる同志も多く、記者も抑制しているフシが見られる。結構なことである。

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