ここ数ヶ月間の各紙Web版に掲載された朝鮮通信使関連の記事の中から主だったものを寸評を交えて短く紹介したい。
まずは毎日新聞地方版2011年2月3日。
なにやら滋賀県の「東アジア交流ハウス雨森芳洲庵」なる公共施設の館長(65)が、よほど暇なのか朝鮮通信使の接待に出された料理のレプリカを、紙粘土を用いてシコシコと一人で作ったらしい。
それを対馬市の通信使関係の市民グループに贈る予定なのだとか。つまらないことを記事にするものである。
ちなみに雨森芳洲というのは朝鮮通信使と関係の深い江戸時代の儒学者だ。
また記事には「高級饗応料理」だの「高級膳」だのと「高級」の文字が不自然に四回 も登場。手厚くもてなされたことを強調することで通信使を持ち上げているような偽善性を感じなくもない。
次は朝日新聞Web版2011年02月23日の記事。
骨子は広島県福山市の今年度予算案などという地元民以外にはどーでもいい内容なのだが、どこの地方も財政が厳しい中、
"江戸時代半ばの1711年に立ち寄った朝鮮通信使「李邦彦」が「日東第一形勝」(朝鮮より東で最もよい景色)と称賛してから今年で300周年。この記念事業に1200万円を計上した" そうである。
要するに鶏泥棒に地元の港を褒めてもらったことを記念するために1200万もの税金を投入するということか。
そう考えるとなんだかとても下らない。
最後は毎日新聞2011年3月5日の地方版。
かつて鶏泥棒が12回立ち寄ったとされる兵庫県たつの市で「朝鮮通信使ゆかりの人形展」とやらが開催されているそうだ。
人形のコレクションを提供したのは広島県の元高校教師で、名前を検索すると大の親韓派らしく香ばしい経歴が色々と現れるが、それはともかく記事の末尾近くに、人形コレクションの解説として、
"乗り物として象が登場するものもあり、衣装や装具から作り手の朝鮮観をうかがい知ることができる" とある。
どうやら衣装や装具が朝鮮風ではない人形まで含まれているらしく、実際には通信使がモデルではない郷土人形まで強引に通信使人形に加えている可能性もありそうだ。
前述の人物のような親韓派は、善意からなのだろうが、通信使の日本への影響を過大評価したがる傾向にあるからだ。
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