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2013/02/22

文化使節か平和の使者か 主催者の都合によって変幻自在の朝鮮通信使

2013年1月27日付けの中日新聞静岡県版に通信使絡みの記事を見つけたので突っ込んでみたい。

記事によると、静岡市で開かれる国連軍縮会議の先行イベントとして、朝鮮通信使の再現行列が開催されたそうで、李氏朝鮮の衣装と称する鮮やかなコスチュームを身につけた市民や在日韓国人たちが市内をパレードしたらしい。

ではなぜ国際軍縮会議のプレイベントに朝鮮の朝貢使節がノコノコ出て来たかというと、

"朝鮮通信使は平和を望む徳川家康の招きで日本を訪れ"

"江戸時代の約二百六十年間、日本と朝鮮半島が平和に交流を続けるきっかけになった"

という理由であるらしい。つまり「朝鮮通信使は平和の使者なので軍縮会議と関係が深いニダ」と言いたいようだ。

なんとなくムリヤリ感のある理由であり、歴史的にも不正確だが、このイベントを企画した団体にとっては、かつて朝鮮通信使が来日したことを――正確には「日本に先進の文化を伝えた偉人」という、妄想の中の朝鮮人使節をアピールすることが主目的であり、理由の正当性など二の次なのだろうと思われる。

通信使来貢400周年の頃は、「文化使節」として新聞に紹介されることの多かった通信使が、今回の軍縮会議では「平和使節」に変身しての再登場というわけだが、通信使の実像のひとつである「素行の悪い朝貢団」として登場することは未来永劫ないのだろう。

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